『呪術廻戦』死滅回遊 前編 #55「東京第1結界コロニー②」。
原作では第159話・163話にあたるエピソード。
そしてこの回は、日車寛見という男の本質に踏み込む物語だった。
日車寛見とは何者か
日車寛見は、100点を保持する死滅回游の泳者。
しかし今回描かれたのは、呪術師としての彼ではなく
弁護士として信念を持って戦っていた“過去”。
強盗殺人で起訴された大江圭太の弁護。
有罪率99.9%と言われる日本の刑事裁判。
DNA鑑定で証拠となった刃物を拾ったと答える大江。
それは無理があると誰もが思う供述であったが
それでも彼は弁護する姿勢を貫いた。
だが――その正義は踏みにじられる。
「正義」が壊れる音
裁判の不条理。
制度の壁。
形だけの真実。
日車の中で何かが軋み始める。
そして――
木槌が鳴る。
カン、カン、カン!
まるで精神が崩壊する表現を表しているようなあの表現。
怒り、悲しみ、絶望が限界を越えた瞬間。
そして彼は呪術に目覚める。
正義を貫こうとした結果の怪物
日車は悪人か?
違う。
彼は正義を捨てたわけではない。
むしろ、正義を貫こうとし続けた。
だが社会がそれを許さなかった。
その結果、正義は“裁き”へと変質する。
人を守るための理想は、人を断罪する力へ。
彼は闇に堕ちたのではない。
精神(こころ)が真面目すぎた結果、怪物になった。
虎杖との対比 ― もう一人の“罪と向き合う男”
虎杖悠仁もまた、罪と向き合う存在だ。
渋谷事変での大量殺戮。
自分の意思ではないとはいえ、背負った罪。
虎杖はそれでも前を向く。
一方、日車は自分の内側が壊れた。
ここが決定的に違う。
虎杖は「罪を受け入れて進む男」
日車は「正義が壊れてグレてしまった男」
だからこそ、二人の会話は異様な緊張感を放っていた。
2人の会話では緑と赤の色彩を基調に演出されてヤバい雰囲気が出ていたのが良かった。
伏黒の怒りが示すもの
一方で騙されたと分かった瞬間の伏黒恵の睨み。
あの一瞬の怒りの表情、その後の展開も素晴らしかった。
今回のアニメ、バトルがメインではないが演出がトップクラスに良かったです。
まとめ|日車は“悪”ではない
日車寛見は悪ではない。
彼は――
正義を諦めきれなかった男だ。
そしてその純粋さこそが彼を怪物にした。
今回のエピソードは、死滅回游の中でも屈指の心理描写回。
虎杖と日車の「裁き」はどうなるのか。
次回も目が離せない。



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